より信頼性の高い大規模データの収集は積極的に進めるべき
リスクスコアと同じく、日本における診断や治療法に関するデータはまだ十分とはいえず、信頼の置けるエビデンスがはっきり確立されているとは言い切れない領域があるのも事実です。
そうした現状を受け、日本循環器学会は約1万人の患者を対象とした調査を始めています。心不全や心筋梗塞などの心臓疾患で入院している患者を無作為で選び、治療内容や治療後の症状の変化といったデータを集め、治療に役立てる狙いです。
外科でも内科でも、心臓病の治療に関する大規模な前向き研究を積極的に行い、客観的なデータをどんどん蓄積していくことはとても重要です。近年は、欧米よりも日本人の体格に近いアジア地域で大規模データを収集するべきだという意見が増えています。日本国内だけでなく、中国、フィリピン、ベトナムといった地域にも目を向けて、より大規模な研究が進むことを期待しています。