山菜採りや潮干狩りの季節ゆえ 春の食中毒はこんなに怖い
「巻き貝以外にアサリやハマグリなどの二枚貝による食中毒も報告されています。昨年4月には愛知県で採れたアサリから基準を上回る貝性毒が検出されたため、愛知県内の一部で潮干狩りが中止になりました」
貝による食中毒は、有毒プランクトンによって毒性を持っていない貝が毒化することでも起きる。日本では定期的に有毒プランクトンの検査を行い、基準を超える毒性のある貝の出荷を止めている。そのため、貝毒による食中毒の報告は少ないが、公認の潮干狩り場以外で貝を採るのは法律面だけでなく、健康面からも避けた方が無難だ。
■水筒が原因になることも
これからは微生物によるお弁当の食中毒にも注意したい。
「食中毒の原因となる代表的な微生物はサルモネラ菌・カンピロバクター菌・ノロウイルスですが、とくにノロウイルスは警戒すべきです。かつては生ガキからの感染がほとんどでしたが、いまは複合調理食品が増えて、それを扱う人の手などから感染する機会が増したからです」
ノロウイルスは乾燥状態でも2週間以上生存し、10度以下の低温に保存された食品の中でも約1週間生存する。