無理なく始められる “正月脂肪肝”を解消する食事と運動
正月を家飲みとゴロ寝で過ごして「体が重い」と感じている人も多いのではないか。そんな人に注意したいのが肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」。放っておくと肝臓の機能が悪化して動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞などの心疾患や糖尿病などの深刻な病気も誘発する。どうすれば解消できるのか? 総合内科専門医で松尾内科クリニック(東京・桜新町)の松尾孝俊院長に聞いた。
脂肪肝とは、食べ過ぎや運動不足で余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、脂肪が肝臓全体の30%以上を占める状態をいう。見た目がスリムな人にも見られ、たった2~3キロ体重が増えただけで肝臓に脂肪がたまる可能性がある。
「脂肪がたまっているだけの軽度の脂肪肝なら、食事と運動だけで解消できますが、放置して脂肪肝に炎症が伴うようになると、そうはいきません」
体のなかで消費しきれないエネルギーは体の中にため込まれる。具体的には肝細胞に中性脂肪がたまって風船化。やがて細胞死を起こす。その後始末に貪食細胞などが集まってきて炎症が起きて脂肪肝炎を発症する。