3割が歩行劇的改善 神経難病「HAM」世界初の治療薬誕生へ
「21人のHAM患者さんに10カ月投与したデータでは、8割が下肢の突っ張りがとれ、3割が歩行に劇的な改善を認めました。発症して10年未満で軽症ほど、治療効果が高いことが分かりました。さらに長期投与の治験を続けています」
もうひとつ分かったことがある。ATLは「急性型」を発症すると約1年で亡くなる重篤な病気であるが、同治療法によって、ATLになりやすい感染細胞を減らす効果が確認されたのだ。将来、ATLへの進展が予防できる可能性があるという。
▽1993年鹿児島大学医学部卒後、同大大学院修了。2000年米国NIH留学、08年聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター部門長(准教授)、16年から現職を兼務。〈所属学会〉日本神経学会、日本リウマチ学会、日本内科学会など。