権威ある英医学誌で発表 ビタミンDで長生きは本当か?
ビタミンDはステロイドホルモンの一種で、カルシウムの吸収を高めるなどの働きを持ち、骨の健康のために必要なビタミンです。それ以外に免疫を調節する作用があり、このため肺炎などの炎症やがんの時には、ビタミンDが低下することが知られています。
今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という権威のある医学誌に発表された、日本の疫学データの解析では、血液中のビタミンD濃度が高いと、低い人よりがんになるリスクが2割低下したと報告されています。ビタミンDが高いとがんになりにくい、という結果です。それでは、ビタミンDをサプリメントなどでたくさん取ると、病気の予防になるのでしょうか? その点についてはまだはっきりしたことが分かっていません。
今年アメリカの循環器の専門誌に掲載された論文によると、ビタミンDのサプリメントを使用しても、それで心臓病や脳卒中が予防されたり、寿命が延びるようなことはない、という結果が得られています。がんについても、サプリメントを取ることでがんが予防された、というような結果は出ていません。
従って、今のところサプリメントでビタミンDを補充することはお勧め出来ませんがビタミンDが不足すると病気の増えることは事実で、魚やキノコなど、ビタミンDを多く含む食品を毎日食事として取ることは、下手な薬よりも病気の予防になりそうです。