<3>心筋梗塞や脳梗塞、エコノミー症候群になりにくい?
避難生活などで、狭い場所に長時間じっとしていると、リスクが上がります。また、がんなどの大手術の後も危険で、外科医がもっとも恐れる合併症のひとつになっています。
血が固まりにくいO型は、非O型(A・B・AB型)と比べて深部静脈血栓症や肺塞栓症が少ないことが、以前からある程度、分かっていました。2016年にはデンマークとスウェーデンの研究者たちが行った研究で、詳細な数字が明らかになりました。1987年から2012年までに両国で献血を行った111万2000人(O型44万6000人、非O型66万6000人)を追跡調査するという大規模な研究です。
調査期間中に、合計9170人が静脈血栓症を発症しましたが、血液型による発症リスクを計算したところ、非O型はO型と比べて、肺塞栓症で1・75倍、深部静脈血栓症で1・92倍、その他の静脈血栓症で1・53倍、リスクが高いことが示されたのです。特に、妊娠中の女性では、トータルで2・22倍もリスクが高いことが確認されました。静脈系の血栓症でO型が有利なのは、もはや疑う余地がありません。