著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

禁煙は5年でいい!? 死亡リスクの増加は見られず

公開日: 更新日:

 喫煙は人の健康にさまざまな影響を及ぼし、発がん心臓病の発症リスクなど、その有害性については多くの文献が報告されています。しかし、就労者のような比較的若い世代の喫煙が健康状態にどのような影響をもたらすかについては、あまりよく分かっていませんでした。そんな中、日本循環器学会誌の電子版に「日本人労働者の喫煙状況と死亡のリスク」を調査した論文が9月12日付で掲載されました。

 この研究では、日本の労働者約10万人が登録されている職域多施設研究のデータベースから、7万9114人(平均43歳)を解析の対象としています。死亡診断書や病気休暇書類などが調査され、自己報告に基づく喫煙状況(非喫煙、以前の喫煙、現在の喫煙)と、死亡のリスクの関連が検討されました。なお、結果に影響を与えうる、年齢、性別、体格指数(BMI)、飲酒状況、高血圧糖尿病の有無などの因子で統計的に補正して解析を行っています。

 最大で6年間の追跡調査の結果、非喫煙者と比較して、喫煙者では、総死亡のリスクが1.5倍、喫煙に関連しているがんによる死亡が1.8倍、それぞれ統計学的にも有意に増加することが示されました。さらに、心臓病による死亡のリスクについても増加の傾向が示されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…