著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

長生きも遺伝する? 両親ともに90歳以上の女性は健康長寿

公開日: 更新日:

 人間の健康状態は、生活習慣などの環境的な要因だけでなく、両親から受け継いだ遺伝的な要因によっても変化します。がん糖尿病の発症が、生活習慣のみならず、親の遺伝的影響を受けていることはよく知られています。

 では、親が健康で長生きしている場合、その子供も長生きするものなのでしょうか。そんな疑問に答えるような研究論文が、老年医学に関する専門誌の電子版に2018年8月15日付で掲載されました。この研究は1993~98年の間に被験者登録された2万2735人の女性を、2017年まで追跡調査したものです。

 解析の結果、母親が90歳以上まで生存していた女性では、70~79歳まで生存していた女性に比べて、心臓病脳卒中、糖尿病、がん、骨折などの深刻な健康問題を抱えていない人が25%多く、90歳までの死亡リスクも25%低いことが示されました。また、父親が90歳まで生存していた女性では、70~79歳まで生存していた女性に比べて深刻な健康問題については差がありませんでしたが、90歳までに死亡するリスクは21%低下しました。特に両親ともに90歳以上まで生存していた女性では、そうでない女性に比べて深刻な健康問題を抱えていない人が38%多く、90歳までに死亡するリスクが32%低下することが示されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…