起因する病気が60個も…断酒・減酒のコツを専門医に聞いた
「自分がお酒を何本飲んでいるか、できれば何グラムなのかを飲むたびに記録すると、心理的なブレーキになり量を減らしていけます。なぜ飲むことになったのかも書いておけばたくさん飲んでしまう状況を把握でき、次から回避できるようになります」
ほかにもお酒を薄いものに替える、週に1日でも休肝日をつくる、2次会に行かない、一口飲んだらコップをテーブルに置く、ノンアルコールの物に替えてみるなどの方法もよい。また飲む前に食べたり、飲みながら食べたりすると、アルコールが胃腸から吸収されるのを遅らせることができ飲む量自体が減る、悪酔いしにくくなるといわれている。
「適量を飲めた時、そのことをメールや電話で家族や友達に伝え、『よくやったね!』と励ましてもらうのも効果的な方法。褒められると『これからも続けていこう』とモチベーションが高まります」
本格的に減酒に取り組みたいなら、「減酒外来」を利用するのも手だ。久里浜医療センターでは昨年4月に減酒外来を開設したところ、すでに受診者は100人を超えた。年齢層は30~50代、圧倒的に男性が多い。飲酒した後の記憶がなくなって何をしたのか覚えていない、どうやって帰宅したのかわからない、身に着けていたものをなくしてしまったなどの「ブラックアウト」の症状や、悪酔いして暴言を吐いてしまったなどのトラブルを気にしてやってくる人が目立つという。通院の目安は半年で、治療には公的医療保険が適用され、レコーディングをしたり、酒量を減らす工夫を話し合ったりする。