薬の進歩と適正使用がヒトの寿命を30年延ばした大きな要因
健康寿命が延びているのは、そうした30年、40年前よりも進歩した部分によるところが大きいといえます。もっと噛み砕いて言うと、ペットとして飼われている犬の寿命はかつては10年くらいでしたが、いまは15年に延びています。これは、効果的な薬を使って寄生虫を駆除できているからです。また、毎日与えるエサの中にビタミンを配合するなど、動物の生活習慣病を起こさせない管理もできるようになりました。
薬を適正に使うことで10年だった犬の寿命が50%延びて15年になった。人間も同じで、薬を正しく使って生活習慣病をコントロールできるようになり、70年の寿命が100年に延びたのです。
薬の進歩と適正使用による生活習慣病の予防は、間違いなく寿命を延ばすことに貢献しています。最近、コレステロールは下げないほうがいいとか、生活習慣病の薬の極めてまれな副作用をクローズアップして飲まないほうがいいなどと喧伝しているメディアも目に付きますが、惑わされてはいけません。エビデンスにのっとった方法できちんと薬を使いながら自己管理していくことが、寿命を延ばすいちばん効果的な方法なのです。