かつて温熱療法の臨床試験を行ったところがん患者の生存期間は有意に長かったが
温熱療法の局所・領域加温に対しては保険適用があります。しかし、温熱療法は日本ではがん治療における標準治療としての位置づけが明確にされていないこともあって、それほど普及してはいません。
また、補完代替的な治療として、いろいろな方法で行われている現実もあります。
日本ハイパーサーミア学会では、温熱療法のさらなる普及や診療レベルの均てん化のために、テーマとして「エビデンスに基づく温熱療法」を掲げ、診療ガイドラインの存在が不可欠であるとして現在作成中のようです。
温熱療法として体を温めるとはいっても、温泉に入ってがん細胞を殺すまで温めることは無理なのですが、私は、かつて「末期がんが治った」と話題になった秋田県の玉川温泉を見に行ったことがあります。駐車場に止まっているクルマのナンバーを見ると、全国各地から患者さんが訪れていることを示していました。
あの時は初夏でしたが、ゴツゴツした岩の間からモウモウと水蒸気が湧き、硫黄のにおいが充満していてそれなりの雰囲気がありました。ここの温泉は酸性が強い点が特徴のようです。