梅毒<3>初期症状は2~5週間で消えるが治ったわけではない
■注射1本で治る時代へ
「治療はペニシリンの投与です。当院は歌舞伎町近くにあり外国人の患者さんも多く、注射での投与を希望されることが多いのですが、日本の治療は独自のもので約60年間、経口投与が行われています。戦後すぐにショック死事件があったからです」
1956年、東京大学法学部教授が抜歯後の化膿止めとしてペニシリン注射を受け、アナフィラキシーショックで死亡したのだ。それが大々的に報道され「ペニシリン注射は怖い」という一般の警戒心の高まりから、国内では注射薬が製造されなくなったという。しかし、経口薬は1~3カ月飲む必要があるが、注射薬は1回で治る。遅くなったが、ショック対策の義務づけなどで、日本でも近々、注射薬が使えるようになるという。