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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

全体の7%しかいない!? 正常血圧の方が珍しい事実

公開日: 更新日:

 白衣高血圧は全体のどれほどの割合になるのでしょうか。前回紹介した研究では、約10%が血圧の治療をしていない白衣高血圧です。約28%が血圧の薬で治療中の白衣高血圧です。このことから全体の約40%が白衣高血圧であることがわかります。

 ただ、後者の治療中の白衣高血圧では、死亡や心臓病による死亡のリスク増加は認められていません。この結果の食い違いを説明するのはなかなか難しいのですが、血圧の治療には血圧を下げる以外にも何かいい作用があるということかもしれません。

 さらにこの研究では、診療所の外来での血圧が正常であるにもかかわらず、24時間の血圧が高い人のうち治療をしていない人が4%、治療中の人が5%おり、いずれのグループでも死亡リスク、心臓病による死亡リスクともに増加しています。つまり外来の血圧だけで判断してもいけないという結果です。

 残りは、外来、24時間の血圧の両方が高くて治療をしていない人が20%、両者が高く治療中の人が27%、いずれも死亡リスク、心臓病による死亡リスクが増加しています。

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