欧米で変わる検査基準 治療の基本は悪玉コレステロール値
心血管病の発症確率を予測する米国のリスク計算式では、血圧、善玉(HDL)と悪玉のコレステロール、総コレステロール、喫煙、糖尿病、高血圧症の既往などを入力する。日本では考慮されない血圧高値もリスクとして計算され、血圧の薬の使用も考慮される。
発症リスクが5%以上あれば、スタチンを使った治療を検討する。さらに7・5%以上で慢性腎臓病、メタボなどのリスク増加因子があれば、スタチンによる治療を行う。
「日本にも独自のリスク計算式(吹田研究)がありますが、いくつか問題点があります。たとえば正常血圧と正常高値血圧のリスクは同じで『0点』、55歳と69歳の年齢リスクは『6点』しか違わない。また、LDLコレステロールのリスクは『100~139が5点』で『140~159が7点』とほぼ同等です」
■心血管病リスクは日米の計算式で2倍の差が
日米のリスク計算式を、男性2人の患者に当てはめてみるとどうなるか。
東丸センター長の試算では、日本スコアによる10年以内に冠動脈疾患が生じる確率は2人とも同じ4・2%の中リスクでも、米国スコアでは7・5%と12・2%と開く。