自らの特性に向き合う「発達障害」は自己理解のツールだ

公開日: 更新日:

 大学院修了後に就職した会社に正社員として15年以上勤務する一色宏治さん(41)の年収は、平均的な同世代のサラリーマンと比べても高めである。障害者雇用ではないし、障害者手帳や障害者年金ももらっていない。 

 しかし、一色さんは、他人と同じようにうまく仕事や生活ができないという悩み、生きづらさ、仕事のしづらさをずっと感じていた。病院ではADHD(注意欠如・多動性障害)と診断され、ASD(自閉スペクトラム症)も、定型発達者(健常者)と発達障害者の中間に位置するグレーゾーンだと診断されている。

「短期記憶がないので、すぐに覚えておかなければいけないことを忘れてしまうし、電車の乗り間違えとか忘れ物も多い。いま自分が何をやるべきだったのか忘れてしまうこともしょっちゅうです。会社では、『よく独り言を言っている変なやつ』みたいに思われていますね(笑い)」

 もっとも、これを読んだ読者の中には、「そのぐらいのことなら自分もあるし、普通の範囲内。発達障害と言うほどのことはないのでは」と思った人もいるのではないだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは