「私は発達障害でも働けるロールモデルになりたい」
29歳の時に発達障害との診断を受け、障害を明かす形で、発達障害の子供への教育支援を行うLITALICOジュニアに指導員として就職した福田晃平さん(現在32歳)。現在の職場で2年半が過ぎ、いまでは教室に通ってくる児童にも慕われている、頼りがいのある指導員だ。以前は休日の楽しみといえば、時々、サーフィンに出かけることだったが、いまは家族で過ごす日も多い。
ひとくちに発達障害といっても、自閉症スペクトラムや学習障害などさまざまな種類があるが、福田さんは集中してじっとしていることが苦手なADHDと診断されている。なかでも福田さんが苦手とするのは、複数の仕事を同時に進めたり、口頭で指示を受けることだ。それらの苦手分野がありながら仕事を円滑に進めるために、さまざまな工夫をしている。
「まず耳で聞くこと、特にいろいろな人が話している空間で指示を聞き取ることが苦手で、聞いたことを忘れやすい。その対策として、指示を受けるときは『パソコンでメモを取りながら聞いてもいいですか』と断って、指示内容をパソコンに入力しています」