数字で読み解く熱中症対策のヒント 肌着の着方も要工夫
機能性肌着のポリエステルの方が、体温上昇が抑制されるのは当然の結果とはいえ、ちょっと興味深い。研究結果を掲載した「デサントスポーツ科学」2003年版によると、ゆとりがあるポリエステルは0.4度の上昇だったが、密着ポリエステルは0.3度の上昇に抑えられた。綿はより体温上昇幅が大きく、密着の方がゆとりを0.1度上回る0.6度だ。
「機能性肌着はピタッとしたサイズを選び、その上からゆとりのあるワイシャツを着るのが一番涼しい」
ワイシャツのすそをズボンから出すのは難しいが、例えば、ポロシャツなどは出した方がいい。首元のボタンを外し、すそを外に出せば、煙突効果で風が抜ける。機能性肌着の効果も加味すれば、より快適だ。
「汗は、蒸発するときに熱を奪って体を冷やしますが、だらだら流れ落ちるような汗は、体温調節と関係がありません。そこで、機能性肌着をピタッと着ることで、繊維と繊維の間に汗を吸い取って、素早く蒸発させるため、体温が上がりにくいのです」
肌着ナシのすけすけシャツは、身だしなみのマナーで論外だ。