「経済毒性」がん治療による経済的な副作用も考えるべき
■個室料金のあり方も見直したほうがいい
また、医療費は保険制度で緩和されるのですが、個人負担の「個室料金」はどうしたものかと疑問に思うことがあります。本来、同意書による同意の確認を行っていない場合や、患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合などでは、料金を求めてはならないことになっています。患者側もプライバシーの問題をはじめ、周りが気になって寝られないなど、いろいろな事情を抱えています。個室や4床室以下での差額ベッド料金は、病院によって違いますが、東京都内と地方でも大きく違うようです。控室があるような特別な個室は別として、狭い部屋でもホテル代よりはるかに高額なところもあります。個室料金の“あり方”をあらためて考えてみるべきではないでしょうか。
病状によって入院期間が長くなるのは仕方ありません。しかし、高額な個室料を払っている患者は長期入院が可能で、一般の患者は早期退院を求められる……といった話を聞くことがあります。病院が「個室料金で稼がなければならない」という姿勢はどうも納得しかねることです。