著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

実の息子よりも嫁の来訪を喜ぶ親も 多く接することが大事

公開日: 更新日:

 認知症の進行を遅らせるためには「機嫌よさの種」をできるだけ多く提供することだ。中でも、子ども、孫、親戚はその大きな役割を果たせる存在だ。顔を見ながらコミュニケーションを交わすのがベストだが、手紙や電話での交流も親の機嫌をよくする。

 日本では、2025年に認知症患者は700万人に増えると推計されている。認知症患者の家族を含めれば、膨大な数の人間が認知症と向き合うことになるわけだ。いまは介護する側にある子ども世代の多くがいつかは認知症を発症する。「明日は我が身」なのである。その意味で、認知症の現実を正しく理解し、認知症の高齢者に機嫌よく生きてもらうことを心掛けなければならない。

 また孫世代に身をもってそれを伝えていくことも求められる。彼らは認知症の祖父母に接する親の姿から多くのことを学ぶ。認知症には誰もがなるにせよ、発症を遅らせたり、発症したとしても進行を遅らせる知恵を持つことが大切だ。

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