著者のコラム一覧
中山祐次郎外科医

1980年生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医師(非常勤)として10年勤務。現在は福島県郡山市の総合南東北病院に外科医として籍を置き、手術の日々を送る。著書に「医者の本音」(SBクリエイティブ)、小説「泣くな研修医」(幻冬舎)などがある。

薬を多量に処方する医者はダメなのか?

公開日: 更新日:

 高齢者の家には飲み切れない薬が大量に余ってしまったり、日本の医療はしばしば“薬漬け”と呼ばれることもある。薬をたくさん出したがるような医者は気を付けた方がいいとも言われる一方で、患者の求めに応じて医師は処方するため、結果として多量の処方になってしまうとも聞く。果たしてこれはどうなのか?

 ――薬の大量処方で病院は儲かるのでしょうか?

「病院が薬で儲けることができたのは昔のことで、薬を多く処方したからといって今は病院や医者の収入が増えるわけではありません。2年ごとに薬価改定が行われますが、現在は1人の患者さんに7種類以上の投薬(投与期間が2週間以内のものは除く)を行うと、診療報酬点数が下がります。病院としてはむしろデメリットの方が大きいのです。具体的には、7種類以上を処方した場合、処方料(院内)は42点から29点に、処方箋料(院外)は68点から40点と低くなります。診療報酬点数は1点につき10円の計算ですから、病院としては130円と280円のマイナスになるのです」


 ――薬を出したがる医者がダメというわけではなさそうですが、そうすると、病院経営のために薬を減らす医者はどうでしょうか?

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