「こんなになってしまって…」と嘆く親の鬱にどう接するか
そんな親を前にして、子どもはどう対応すればいいのだろうか。
第一に心がけることは「こんなになってしまった親」を100%受け入れることだ。「もう諦めろ」というのではない。このコラムでもたびたび述べてきたように、日光浴、散歩、肉などのタンパク質の摂取など、進行を抑えるための日課は重要だが、ともに重要なのが、「こんなになってしまっても、あなたが必要だ」というメッセージを子どもは親に対して発信し続けることだ。
そのためには「昔話」も有効だ。親が自分たちを育てるためにやってくれたこと、親子で旅行に行ったときのことなどを話しながら、いかに親が自分たちにとって大切な存在であるかを改めてアピールするのだ。そうしながら、親とコミュニケーションの時間を持つ。親の記憶が不確かであっても、話を聞いてあげること。間違っていたとしても「そうだったかな」「言う通りかもしれないね」といった相づちにとどめる。コミュニケーションによって親が愉快な気分になるようにすることが重要だ。さらに重要なのは「生きていてくれるだけでうれしい」「いなくなったら悲しい」という自分の気持ちを伝えることだ。