野菜は豊富にとれるが…忘年会の「鍋」は胃に優しいのか
胃内滞留時間は食材によりある程度決まっていて、果物の胃内滞留時間は20~30分、野菜は1~2時間、ごはんやパンなどの炭水化物は2~4時間、魚などのタンパク質は4~6時間、脂質は7~8時間といわれ、脂っぽい食材は胃内滞留時間が長いとされています。
皆さんの中には胃もたれして何がいけないのか? と思う人もいるかもしれません。
問題は胸やけもすることです。胸やけは飲食後に感じる胸の灼熱感や痛みのことですが、その原因は胃の内容物が食道に逆流して、胃酸によって食道の粘膜に炎症を起こさせるからです。
食道から胃に食べ物が入ると、ある消化管ホルモンが分泌され、胃の入り口である噴門を閉じて食べ物が食道へ逆流するのを防ぎます。そして、食べ物が胃を出て十二指腸に達すると今度は別の消化管ホルモンにより噴門が開くのです。
ところが、消化の悪い食べ物や過食により胃の中での消化に手間取ると、胃の中に食べ物が渋滞します。それでも、食べ物の一部が十二指腸に達すると、噴門が開いてしまい、胃酸が逆流して食道の粘膜に炎症を起こし、胸やけが生じるのです。ちなみに、げっぷは噴門が開いたときに胃の中の空気が逆流したものをいいます。げっぷが出る人は食道がただれている可能性があるということです。