米国における乳ガン治療の実際<4>術後のフォローアップ
米国在住の50代の日本人女性Aさんが乳がんを宣告され、治療に奔走する話の4回目です。合計3回の手術を自分で仕切っていくサバイバルゲームの画面をすべてクリアし、ようやくがんは取り切れました。全摘した乳房の形成術も無事終えました。
これからは半年に一度、腫瘍専門医(オンコロジスト)といわれるがん専門医を主治医にして、長いフォローアップ期間になります。予防的な抗がん剤投与を受け、再発を監視する定期検査を受け続けていくのです。
乳がん再発予防によさそうに思われるメトホルミン(古くからある糖尿病薬で、乳がん再発抑制効果があることが話題になっています)などの代替療法もいろいろあり、併用も考えなくもないのですが、昨年までの一連のサバイバルに疲れ、自力であれこれ調べる気力が戻るにはしばらくかかるかも……、とAさんは思います。
大変な思いをしてきた中でAさんにとって救いだったのは、医師も周囲の医療スタッフもとても陽気で明るく接してくれたことです。
まだ日本に住んでいたころに、病院で仏頂面の医師に邪険にされたり、看護師さんに叱られたりという経験もあったAさんからすると、その違いは意外に大きかったようです。手術前に明るく接してもらうと、緊張がすーっと解けていきます。みんな「接客業のプロ」として自覚があるし、そうしないと生きていけないのでしょう。