「歯周組織再生療法」とは歯槽骨を再生する治療のこと
かつて歯周病によって奥歯を2本失われた60代の男性患者さんが「これ以上、歯周病で歯を失いたくない」と、僕の診療所にやって来ました。歯周組織再生療法の話をすると最初は信じていませんでしたが、「ダメもとでやってみます」と気持ちを切り替えてエムドゲイン法を受けてくださいました(その当時はエムドゲイン法しか選択肢がありませんでした)。
レントゲン上で歯槽骨が増殖して吸収が止まったのを確認できたのは半年後で、それから5年経過していますが、結果として歯を一本も失わずに今もメンテナンスに通ってくださっています。
ちなみにリグロスは日本で開発され、人間由来のタンパク質を人工的に生成したものが主成分で、2016年から健康保険適用となっています(エムドゲイン法は保険適用外)。歯周病の基本的な治療を終えてからしか保険適用できないために時間はかかりますが、先ほど紹介した患者さんのように一本でも多くの歯を残したい方は、ぜひ歯医者さんで相談していただきたいと思います。
(構成=小澤美佳)