食事で新型コロナに打ち勝つ 高齢者の6人に1人が低栄養
「本来、男性は1850~2200キロカロリー、女性は1500~1750キロカロリーを毎日摂取する必要があります。しかし、どれくらい食べたらいいか、ピンとこないかもしれません。そのため、低栄養だと感じる高齢者は、普段からより多くの食材を食べることを意識しましょう。とくにお魚や肉、卵などのタンパク質を意識的に取るよう心掛けることが大切です。具体的には6枚切り食パンを1枚とサラダとコーヒーで朝食を済ませている人は、8枚切り食パンを2枚にして卵焼きをつける。肉が苦手な人はゴハンに肉や大豆を混ぜて食べる。豆腐のお味噌汁をつける……といったように無理して食べるのでなく、普段食べているものに1品増やす形で炭水化物やタンパク質を増やす努力をするといいでしょう」
低栄養だからといってゴハンの量だけを増やすのはもちろん良くない。単に炭水化物の量が増えるだけでなく、その分だけタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラル、マグネシウムなどの微量栄養素などの摂取が減る恐れがあり、感染症に対する生体防御能力が低下することにもつながりかねない。逆に炭水化物を一切取らないような過激なダイエットもエネルギー不足につながり、体温が低下して感染症に対する抵抗性を奪うことになる。「食べる時間帯により摂取量が変わってくることがわかっています。魚や大豆などのタンパク質はできるだけ朝取るといいこともわかっています」 いまや低栄養は高齢者だけの問題でもない。最近は全世代で偏食が目立ち、タンパク質不足の子供や若者、中高年も少なくない。高齢者はとくにだが、他の世代も新型コロナ対策は、まず不足しがちなタンパク質を意識的に取る。しっかりした食事改革から始めることだ。