実家に帰省したい…新型コロナの「抗体検査」は有効なのか
新型コロナの抗体検査を行うクリニックが増えている。受けるべきか?
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の検査には、保険適用のPCR検査・抗原検査、保険非適用の抗体検査がある。症状がなくてもすぐ受けられるのが、抗体検査だ。
しかし目的を間違えれば、結果次第ではかえって混乱を招く。
「『実家に帰省したいので』と抗体検査の相談に来る方が多いのですが、抗体検査では、現在ウイルスが体内にいるかどうかは分かりません。ウイルスを実家に持ち込む可能性があるかどうかは判断できません」
■目的は「過去に感染したかどうか」
こう話すのは、「九段下駅前ココクリニック」(東京・千代田区)の石井聡院長だ。ウイルスの有無を調べるPCR検査・抗原検査に対し、抗体検査はその名の通り、抗体を調べるもの。
「抗体は、ウイルスに感染し、それに反応してつくられます。つくられるまでに1~2週間かかるのです。その時にコロナらしき症状がなければ、抗体検査で陽性になっても、すでに治っている。抗体検査は事後の体の反応を見ているので、『抗体検査で陽性=現在ウイルスに感染している』とはならないのです」(石井院長=以下同)