著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

交尾の時間が関係する?なぜ人間のペニスには骨がないのか

公開日: 更新日:

 さらに長い陰茎骨は、メスを取り合う生殖競争の激しさとも相関していたとしています。つまり「競争相手が多く、交尾時間が長い」ということが、陰茎骨を持つ哺乳類の交尾の特徴という見解です。交尾時間が長ければ、それだけメスが他のオスと交尾する機会が減り、自分の遺伝子を残すことができるわけです。

 一方、人間の場合はどうでしょう。研究チームは、190万年前のホモ・エレクトス(原人)の頃から「一夫一婦制」が広がったため、女性をめぐる生殖競争が起こりにくくなり、次第に消失していったと推測しています。それに人間の男性の場合、挿入から射精までの時間が平均2分程度とし、わざわざ陰茎骨でサポートする必要がないとしています。

 人間に近い霊長類のチンパンジーやボノボは、挿入時間が平均7~15秒と短いのですが、約7ミリの陰茎骨があります。これは1匹のメスが複数のオスと乱交するため、完全に消失せずに保持していると推測しています。ほかにも人間の陰茎骨の消失には諸説あり、股間に硬い骨があると「二足歩行に邪魔だから」という仮説もあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」