<3>肝臓病を予防 胆石は1日6杯以上で23%リスク低下
珈琲にはさまざまな病気の予防効果が確認されているが、忘れてならないのは肝臓病への予防効果だ。
肝機能を低下させるものにはB型・C型肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝機能障害、胆石症などがある。珈琲はこれらが原因となる肝機能障害を改善させることが多くの研究で証明されている。「コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか」(PHP出版)の著者で、「北品川藤クリニック」(東京・品川)の石原藤樹院長に聞いた。
「健康診断では肝臓の機能を調べる3つの血液検査が必ず行われます。GOT(AST)、GPT(ALT)、γ―GTPです。
GPT(ALT)とGOT(AST)は、肝細胞の中で働く酵素で、タンパク質を分解して、体が必要とするアミノ酸を取り出す働きがあります。そのため脂っこいものを食べ過ぎて脂肪肝や肝炎になると、炎症により幹細胞が壊されて、細胞内の酵素が血液に流れ出して、数値が上昇します。しかし、GPT(ALT)はほぼ肝臓内の細胞にしか存在しないのに対してGOT(AST)は心臓や赤血球にも存在する。そのため、GPT(ALT)ほぼ肝臓の病気のみで数値が増加するのに対してGOT(AST)は心筋梗塞や筋肉の病気など、肝臓以外の病気の時にも増加するので注意が必要です。また、γ―GTPは胆道計酵素と呼ばれる検査値の一つで、肝臓の異常以外にも胆石症や膵臓の病気、お酒を飲む人で増加が見られます」