水を飲めば血圧が下がる 朝晩ペットボトル1本ずつで効果あり
継続的な水分摂取によって血液中の老廃物が希釈されるなどして腎臓の負担が低下し、塩分の排泄がスムーズになったり、血圧上昇ホルモンの分泌がコントロールされて血圧が下がった可能性があるということだ。
「また、水分を継続摂取したグループは、血液中老廃物の指標のひとつである『尿素窒素』の数値が低下したり、血液粘度の指標である『ヘマトクリット』の数値が低下していました。その分、血液がスムーズに循環できるようになり、末梢血管の抵抗が下がって血圧が低下したことも考えられます」(中村氏)
一般的には、体内の水分量が増えて血液量が増えると、血液を循環させるために大きな力が必要になり、血圧は上昇する。しかし、それはあくまでも一過性で、継続的な水分摂取は長い目で見ると血圧を低下させる効果があるといえる。
「ただ、腎機能が低下している人は、水分摂取が増えると腎臓に負荷がかかるので注意が必要です。欧米では水分摂取量の過剰について目安が設けられていて、『腎臓の排泄処理能力が1時間あたり0・7リットルから1リットル』といわれています。それ以上になると急性水中毒といわれる状態につながるリスクがあります」(中村氏)
今回の研究では、朝晩につき2時間あたり550ミリリットルの水分摂取で効果が確認された。試してみる価値はある。