石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

立ち上がって血圧が大きく上がる人は動脈硬化のリスク大

公開日: 更新日:

 立ち上がった時に血圧が下がることを起立性低血圧といいます。立った時にふらついて頭が真っ白になるのはそのためで、一時的に意識がなくなって転倒し、骨折などの原因となることもあります。この起立性低血圧は認知症や骨折、動脈硬化の病気の危険性を高めることも知られています。

 その一方であまり知られていませんが、立った時に血圧が上がることもあります。

 ほんの少し上昇することは正常ですが、通常上の血圧が20㎜Hg以上、下の血圧が10㎜Hg以上、上昇することは異常と考えられています。これを起立性高血圧と呼んでいます。起立性高血圧は自律神経が活発に反応している人に多いとされていて、起立性低血圧と同様に、動脈硬化の病気を増やす危険があると報告されています。

 今年の高血圧の専門誌に、起立性高血圧の危険についての論文が掲載されました。

 以前行われた高血圧治療の臨床試験の結果を解析したところ、起立性高血圧のある人に、厳しい血圧低下の治療を行うと、むしろ動脈硬化の病気の危険性が増すという結果が認められたのです。

 起立性高血圧のない人は、血圧を下げれば下げるほど動脈硬化の病気は少なくなっていました。高血圧の治療の前に、立ち上がって血圧が上がるかどうかをチェックすることが、重要であるのかも知れません。

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