著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

話題の治療薬「イベルメクチン」新型コロナへの効果は?

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の候補に「イベルメクチン」があります。イベルメクチンは、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智博士によって発見された物質で、医療現場では抗寄生虫薬(主に疥癬〈かいせん〉の治療)として用いられています。同薬はまた、抗ウイルス作用が知られており、いくつかの探索的な研究では、新型コロナウイルス感染症患者における重症化のリスクを低下させる可能性が報告されています。

 ネット上でもイベルメクチンの早期承認を求める記事が注目を集めている中、新型コロナウイルス患者に対する同薬の有効性を検討した研究論文が、米国医師会誌の電子版に2021年3月4日付で掲載されました。

 この研究では、症状が軽度の新型コロナウイルス感染症患者400人(年齢の中央値37歳)が対象となりました。被験者はイベルメクチンを5日間にわたり投与するグループと、プラセボ(薬効成分が含まれていない偽薬)を投与されるグループにランダムに振り分けられ、21日以内の症状消失が比較されています。

 その結果、症状消失までの期間(中央値)はイベルメクチンを投与されたグループで10日、プラセボを投与されたグループで12日と、イベルメクチンを投与されたグループで短い傾向にありましたが、統計的に有意な差を認めませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース