坂本昌也
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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

下戸なのに肝臓がん…脂っこい物が好きな人は超音波検査を

公開日: 更新日:

 肝臓に脂肪が多くたまった状態を脂肪肝といいます。「肝臓病=お酒を飲む人の病気」という印象が強いのか、「お酒を飲まなくても脂肪肝になることがあります。治療せずに放置すると、肝硬変や肝臓がんになるリスクがありますよ」と言うと、驚く患者さんが少なからずいます。

 脂肪肝には、アルコールを過剰に摂取する人がなるアルコール性脂肪肝と、アルコールを一切飲まない、またはアルコールを摂取するけれど肝臓に障害を及ぼすほどではないのに発症する「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」があります。「NAFLD」は「ナッフルド」と読みます。

 アルコール性の場合、男性なら、ビール大瓶1本強、日本酒1合半、ワインならグラス2杯半以上飲む人が高リスクとなりますので、NAFLDは、それよりもアルコール摂取量が少ない人(女性は、男性の3分の2の量より少ない人)となります。

 NAFLDの原因の多くは「アルコール以外」。具体的には肥満糖尿病脂質異常症、高血圧など。2型糖尿病患者は肥満、脂質異常症、高血圧を併発している人が圧倒的に多いですから、NAFLDのリスクが高い。一方で、脂肪肝が糖尿病を発症させているという見方もできます。肝臓に脂肪が沈着するとインスリン抵抗性になり、糖尿病を引き起こすからです。

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