著者のコラム一覧
奥田研爾横浜市立大学名誉教授

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

日本がワクチン開発に予算をかけないのはどうしてなのか

公開日: 更新日:

【A】「日本人は世界で3番目にワクチンの副反応への不安を持っている人が多い国だとの報告があります。副反応でいえば、とくに子宮頚がんワクチンをめぐるメディアの報道の影響は大きいでしょう。ワクチンに対するイメージの潮目が変わりました」

 子宮頚がんの原因の9割以上を占めるのがHPV(ヒトパピローマウイルス)感染だ。日本では10年から、中学1年から高校1年までの女子を対象に公費で助成するHPVワクチン接種が行われ、13年から定期接種となった。だが、接種後に広範囲な疼痛や運動障害などが報告され、それがマスコミに取り上げられると厚労省は13年6月に接種の積極的勧奨を停止し、現在も継続している。

「確かに人により筋肉痛などの症状がありますが、これは肺炎球菌ワクチンでもそうです。報告された症状は解析されていますが、ワクチン接種との因果関係を科学的に示したものはありません。さらに国内890万接種(約338万人)を対象とした検証で、症状が未回復であったのは約10万人あたり5人。15~20歳代の接種は95%以上の子宮頚がん予防効果があることが分かっています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…