温泉と同様の効果がある「手浴」でストレスをデトックス
人間の体では、指、手のひら、前腕に、温かさを感じる「温点」が最も集中しています。また、手の血管には、交感神経支配が集中しています。寒いときにストーブやたき火に手をかざすと、体も心もぽかぽかになるのは、手の温めがこれらの神経に作用し、さまざまな効果を生むからなのです。
手浴は医療現場から生まれたもので、お風呂に入れない患者さんにも、お風呂につかることと同様の効果や感覚を覚えてもらうために実践されています。ストレスはもちろん、疲れや焦燥感を感じたときは、手浴でリラックスするようにしてみてください。
もちろん、近くに温泉がある人は、温泉での気持ちのリセットも効果的です。札幌市立高等専門学校の渡部が北海道大学の研究者らと行った実験では、8人の女性に10分間入浴してもらい(入浴前後30分間の安静も取ってもらった)、脳波、心拍数、体温、皮膚温、質問紙を用いてその効果を測定しました。
その結果、脳波解析においては「悲しみ」が低下し、「気分の良さ」や「リラックス感」が増加。また、普段よりよく眠れ、翌日にやる気や集中力が上がるという傾向も見られました。