新型コロナ感染で「ウイルス糖尿病」を発症する可能性も
実際、インスリンの絶対量が不足する1型糖尿病は感染症によって起こることは昔から医療関係者の間で知られていて、ウイルス糖尿病は日本糖尿病学会でも認定され、保険病名にもなっている。
1型糖尿病の20%、その亜流である劇症1型糖尿病の70%は感染症が原因ではないかといわれている。
「そもそもウイルスと糖尿病の研究は半世紀以上の長い歴史があり、多くのウイルスが糖尿病に関わっていると考えられています。例えばコクサッキーB群ウイルス、風疹ウイルス、A型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ロタウイルスなどが糖尿病の発症と関わりがあるとされ、新型コロナウイルスもまたその関連が疑われているのです」(弘邦医院の林雅之院長)
イタリアからも、糖尿病の既往歴のない患者551人のうち、46%が新たに高血糖症を発症したという研究結果が報告されている。
■8割が無症状だからこそ血糖値を測りたい
大規模調査が行われていない今は、ウイルスによる糖尿病発症はマレかもしれない。しかし、発症までいかなくても新型コロナウイルスの感染が膵臓にダメージを与えた可能性は考えられる。