新型コロナ感染で「ウイルス糖尿病」を発症する可能性も
新型コロナに感染した人は糖尿病を発症する恐れがある。こんな研究論文が注目されているのをご存じだろうか。
米スタンフォード大学の微生物学者であるピーター・ジャクソン教授の研究で、5月18日付の学術誌「Cell Metabolism」に掲載された。
新型コロナウイルスがインスリンを産生する膵臓の細胞に感染し、破壊する可能性があるという。
インスリンは血液中を流れるブドウ糖が肝臓や脂肪細胞などに取り込まれるよう促し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調整する働きを持つ。その製造元の膵臓が破壊されるということは、血液中にブドウ糖があふれて糖尿病になるということだ。
新型コロナに感染して重症化しやすいタイプとして、がん、慢性腎臓病、肥満、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などのほか、2型糖尿病の人が挙げられている。
ならばその逆に“新型コロナに感染すると糖尿病を発症するのではないか”との推測が、感染が流行した当初からささやかれていた。ジャクソン教授は昨年、10万人が予期せぬ形で糖尿病を発症したのではないか、と推測しているという。