著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

ワカサギはビタミンAを含む数少ない魚 夜に天ぷらで食べたい

公開日: 更新日:

 ワカサギといえば、氷に穴を開けて釣りをするテントの風景が目に浮かぶ冬の風物詩。11月ごろはまだ成長前の小さな個体が多く、脂の乗った旬の時期は2月下旬~3月上旬に当たります。

 江戸時代に常陸国麻生藩が徳川将軍に年貢として霞ケ浦のワカサギを納めていたことから公儀御用魚とされ、それが由来で漢字では「公魚」とも書くそうです。

 その茨城県霞ケ浦北浦のワカサギは、なんと夏に最も脂乗りがよいため、7~8月に取れる夏のワカサギを「ナツワカ」として旬の味覚にされていたりもします。

 そんなワカサギの栄養価をみると、エネルギーは小さいもの1匹(約10グラム程度)で7.7キロカロリーと低エネルギーです。脂質も10グラム当たり0.17グラムとほとんど含まれていません。DHAやEPAは淡水魚の中ではかなり高い割合なのですが、全体量としてはやはり少なめ。糖質も10グラム当たり0.01グラムとほぼ入っていません。時間栄養学的に考えると夜向きの食材と言えるでしょう。

 また、ワカサギのように小さくて丸ごと“全体食”ができる魚はミネラルがたくさん取れます。中でもカルシウム量は10グラム当たり45ミリグラム。吸収率が若干違うので完全な比較はできませんが、牛乳のカルシウム量は10グラム当たり11ミリグラムですから、その多さがわかると思います。カルシウムは骨や歯を健康に保つだけでなく、筋肉の収縮などにも働くミネラルなのでぜひ取りたいですね。ちなみに、カルシウムの体内への吸収率が上がるのは夜。そういった意味でも夜食べることでの効果は高そうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇