ワカサギはビタミンAを含む数少ない魚 夜に天ぷらで食べたい
ワカサギといえば、氷に穴を開けて釣りをするテントの風景が目に浮かぶ冬の風物詩。11月ごろはまだ成長前の小さな個体が多く、脂の乗った旬の時期は2月下旬~3月上旬に当たります。
江戸時代に常陸国麻生藩が徳川将軍に年貢として霞ケ浦のワカサギを納めていたことから公儀御用魚とされ、それが由来で漢字では「公魚」とも書くそうです。
その茨城県霞ケ浦北浦のワカサギは、なんと夏に最も脂乗りがよいため、7~8月に取れる夏のワカサギを「ナツワカ」として旬の味覚にされていたりもします。
そんなワカサギの栄養価をみると、エネルギーは小さいもの1匹(約10グラム程度)で7.7キロカロリーと低エネルギーです。脂質も10グラム当たり0.17グラムとほとんど含まれていません。DHAやEPAは淡水魚の中ではかなり高い割合なのですが、全体量としてはやはり少なめ。糖質も10グラム当たり0.01グラムとほぼ入っていません。時間栄養学的に考えると夜向きの食材と言えるでしょう。
また、ワカサギのように小さくて丸ごと“全体食”ができる魚はミネラルがたくさん取れます。中でもカルシウム量は10グラム当たり45ミリグラム。吸収率が若干違うので完全な比較はできませんが、牛乳のカルシウム量は10グラム当たり11ミリグラムですから、その多さがわかると思います。カルシウムは骨や歯を健康に保つだけでなく、筋肉の収縮などにも働くミネラルなのでぜひ取りたいですね。ちなみに、カルシウムの体内への吸収率が上がるのは夜。そういった意味でも夜食べることでの効果は高そうです。