ウイルス感染予防のために正しい「うがい」をマスターしたい
結果は、水でうがいをしたグループは、しなかったグループとうがい薬を使ったグループに比べ、一般的な風邪をひいた人の割合が4割ほど減少したと報告されている。
「インフルエンザについてはたしかな効果が確認されておらず、新型コロナについても同様です。喉に付着したウイルスは早期に細胞に侵入するためとみられています。それでも、15秒間のガラガラうがいを1日3回以上実践することで、口腔内に入ったウイルスや細菌をある程度洗浄できると考えられます」
■うがいの継続で虫歯が50%以上減
「ブクブクうがい」にも感染症の予防効果が期待できる。こちらのうがいは、口の中をきれいにする目的で行うもので、歯の表面や間に入り込んだ食べかす、口腔内に存在する歯周病菌などの細菌を洗い流す。
「口腔内に歯周病菌が多い人は、ウイルス感染症にかかりやすくなることがわかっています。口の中に入ったウイルスは、細胞に侵入する際にまずウイルス受容体に吸着します。口腔内に発現するウイルス受容体は、通常ではタンパク質からできている粘膜で保護されていますが、歯周病菌はプロテアーゼというタンパク質を分解する酵素を産生し、保護している粘膜を破壊してしまいます。そのためウイルス受容体が露出し、感染しやすくなってしまうのです」