著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

カナダのM・パロ選手はスノボで金メダル 悪性リンパ腫は完治の可能性が高い

公開日: 更新日:

 北京オリンピックでは日本選手の頑張りもさることながら、がんサバイバーの奮闘も見逃せません。その一人が、カナダのスノーボード男子スロープスタイルのマックス・パロ選手(27)です。2018年、平昌五輪で銀メダルを獲得した後に発覚した悪性リンパ腫を克服し、金メダルを手にしたのです。

 悪性リンパ腫は、免疫を担うリンパ球ががん化したもので、大きくホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。パロ選手は、ホジキンリンパ腫だったそうです。日本では9割が非ホジキンリンパ腫ですが、欧米ではホジキンリンパ腫が多い傾向があります。

 リンパ腫細胞は、リンパ節とリンパ節以外の臓器で増える場合があり、リンパ節のケースでは、首や脇、脚の付け根などのしこりとして感じることが多い。あまり痛みはなく、風邪などで腫れるよりも大きく、消えることなく少しずつ大きくなります。

 風邪をひいたわけでもないのに熱が続いたり、寝汗や原因不明の体重減少などが見られることもありますが、リンパ腫の多くは症状が乏しい。X線や腹部エコーなどの検査で見つかることも珍しくありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇