4回目ワクチン接種に予防効果は期待できない…米国の専門家も指摘
そんな中、米国の食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルスワクチンの追加接種の必要性や変異型への対応について今後の方針を議論する諮問委員会を開いた。その中で世界で感染が広がるオミクロン型の派生型BA.2に、既存ワクチンが十分適合していないとの指摘が出たという。
諮問委にはFDAをはじめ、米疾病対策センター(CDC)や米国立衛生研究所(NIH)、世界保健機関(WHO)などの専門家らが参加した。しかもFDAのワクチン開発部門の副ディレクターは「既存ワクチンは主流となるBA.2に十分適合していない」と語ったという。
多くの専門家が4回目ワクチン接種の予防効果を否定的に見る根拠はファイザー社製ワクチンの接種が積極的に行われるイスラエルの研究結果。60歳以上のイスラエル人125万人あまりの今年1~3月の健康記録の分析で、内容は世界的に権威のある医学論文雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されている。
それによると、3回目接種群に比べて4回目接種群は接種4週目で重症化リスクは3.5分の1に低下となったものの、感染が確認されるリスクは4週目で3週群の半分、8週目では1.1分の1とほぼ戻ったという。つまり、感染予防効果は2カ月間しか持たない。