妻には言えても医師には言えない…がん患者の心中
73歳のKさん(男性・定年退職後)は胃がんの手術をしてから2年が経ちました。すでに再発予防のための抗がん剤治療は終わっていて、その後の経過を診てもらうために手術した病院へ3カ月ごとに通院しています。
2カ月ほど前から、時々背部のあたりに痛みを感じる時があります。Kさんは痛みが出ると、すぐに「再発、転移ではないか」と心配してしまいます。そんな時、奥さんに「背中が痛い」「背中の奥が鈍く痛い」と訴えます。すると奥さんは「病院に行ったら? 次の診察はいつだった?」と心配そうにしてくれたり、「貼り薬でも貼ったらどう?」「今度はCT検査もあったよね」などと声をかけてくれます。
そして今日、ようやく診察の日になりました。朝、いつもより早く6時に起きて準備をします。背中の痛みは昨夜からありません。
歩いて15分の最寄り駅は、相変わらずの人、人、人です。久しぶりに電車に乗りましたが、コロナが心配で、つり革にも掴まりたくないので立っていましたが、まわりの人との距離は十分に取れませんでした。