アルコールと関係ない「脂肪肝」は心血管疾患リスクもアップさせる
「NAFLD/NASHでは、そうした生活習慣病に対する薬物治療に加え、心血管疾患の評価と治療も大切です。近年、NAFLD/NASHに対し、アスピリン(抗血小板薬)・降圧薬・脂質低下薬の合剤である『ポリピル』による治療効果が注目されていて、今年1月には『ポリピルの使用はNAFLD/NASHにおいて心血管イベントの発症を抑制する』というイランの研究が、権威ある医学誌『ヨーロピアンハートジャーナル』のオンライン版に掲載されました」
NAFLD/NASHの人を、アスピリン(抗血小板薬)・アトルバスタチン(コレステロール低下薬)・ヒドロクロロチアジド(降圧利尿薬)・バルサルタン(降圧薬)を含有するポリピルを服用する群(787人)と、経過観察のみのコントロール群(721人)に分けて解析したところ、主要心血管イベント(心筋梗塞、心不全、脳卒中など)の発生は、コントロール群が11.9%だったのに対し、ポリピル群では8.0%と有意に少なかった。
また、非致死的な心血管疾患、致死的な心血管疾患、全死亡のリスクもポリピル群で低下していた。