お酒を飲まない人の肝炎は「2型糖尿病」の低血糖リスクを上げる
「NAFLD(ナッフルド)」が2型糖尿病の低血糖リスクを上げることを示すデータが、韓国の研究者によって、米国医師学会が発行するオープンアクセス医学雑誌「JAMA Network Open」(2月)に掲載されました。NAFLDは、肝炎ウイルスやアルコールを原因としない脂肪肝の総称で、日本語では「非アルコール性脂肪性肝疾患」となります。
肝細胞に脂肪が蓄積した状態が脂肪肝ですが、これが進行するとやがて慢性肝炎となり、そのまま治療をしないでいるとさらに肝臓の細胞が正常に働かない肝硬変となり、そのうち一部は肝臓がんに至ります。
現在、感染ウイルスの治療が確立されつつある中、とても重要な疾患です。
肝硬変になると、食べ物から消化吸収されたブドウ糖が肝臓で処理されないため食後の血糖値が高くなりますし、また、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)の値が高くなっても肝臓がうまく反応できないため血糖値を上げられず、低血糖を起こしやすくなる可能性があります。
一方で、肝硬変に至っていないNAFLDでは、2型糖尿病患者の低血糖リスクがどうなるか、十分には明らかになっていませんでした。