新しい麻酔薬の登場とそれを使い慣れた麻酔科医の存在が重要
麻酔法の確立なくして外科医療は成立しなかったと言っても過言ではありません。
だって麻酔なしの手術を想像してみてください。
痛いなんてものじゃないはず。激痛です。患者さんも痛みに耐えかねて、じっと我慢していられないはずです。そのために麻酔のない時代の手術は、大勢の人の力で押さえつけて行っていたといいますからうなずけます。
そもそもこの麻酔には、大きく分けて手術中の痛みをとる「鎮痛」と、手術中よく眠れる「鎮静」、そして全身の筋肉の緊張を取る「筋弛緩」という3つの要素があります。
また麻酔の方法としては、手術する部位だけ行う「局所麻酔」、下半身の感覚を一時的に消失させる「脊椎麻酔」、そして完全に眠った状態で行う「全身麻酔」の方法が取られます。いずれの方法も手術に対応していますが、中でも高度なスキルを必要とされるのが、患者さんにとってもっとも快適な麻酔である「全身麻酔」なのです。
ちなみに東京外科グループでは、日帰り麻酔のエキスパートが在籍しているために、この全身麻酔を「鼠径ヘルニア」の手術においても採用しています。