著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

外国人の在宅医療 余命数カ月を宣告されたスキルス胃がんの東欧人女性

公開日: 更新日:

 最近、欧米を中心に外国の方から在宅医療に関する問い合わせをいただくことが増えました。私たちの話を聞き、実際に在宅医療に切り替える方も徐々に増え始めています。

 東欧から日本に移り住んだ女性(55歳)は、スキルス胃がん。日本に帰化してから長く、日本語はペラペラで、日本語での意思疎通は日本人と変わらないレベルでした。

 スキルス胃がんは予後が悪いがんとして知られています。「スキルス胃がん」というのは、胃がんタイプのひとつの俗称で、正確には「胃癌取扱い規約の肉眼的分類の4型」に当たります。はっきりした潰瘍やその周りの盛り上がりがなく、胃の壁が硬く、厚くなる進行性の胃がんで、比較的若い方や女性に多く、腹膜への転移を起こしやすい。転移がなく、手術で切除できた場合も腹膜に再発する危険が高い。

 この東欧人女性の場合、2021年7月に胃の切除手術を行っており、その後、抗がん剤治療を続けていました。スキルス胃がんではがん細胞が広範囲に浸潤し、腹水をきたしてしまうことが多いのですが、この女性も例外でなく、週1回、腹腔内に針を刺し腹水を抜く、腹水穿刺を受けていました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ