自宅看取りは「在宅診療」と「介護」でこう変わった 家族の大きな負担は過去の常識
■地域が家族を支える
もし家族が患者の世話に疲れた場合は、2~4週間、病状の安定している患者を病院が受け入れる「レスパイト入院」制度がある。いまはそれで家族が休むことができる。
また、ヘルパーや看護師ら、自宅に他人を入れることを激しく断る患者や家族も少なくない。
しかし、相性の良い介護職が介入すると結果として本人の日々の生き甲斐のひとつになるという。
「家族が留守のときに患者ひとりで置いておくのが心配なら、病院や施設ではなく、日中に一時預かりしてくれるデイサービスなどの活用も可能です。朝に迎えに来てもらい、夕方に帰ってくる。昼ごはんや入浴サービスも付きますし、他人と関わることで患者と家族の生きるモチベーションにもつながります。帰ってきたら少し疲れて、以前より薬がなくても夜は早い時間からしっかり寝られるようになる方も多いのです」
在宅の不安のひとつに「痛い、苦しい姿を見せたくない、見たくない」という患者や家族の思いがある。