お尻からヒモのようなものがニョロニョロと…生魚から感染、その正体は?
近年、魚介類に潜む寄生虫アニサキスが体内に入り、激しい腹痛や吐き気などの症状を起こすアニサキス症の被害報告が増えている。輸送技術が発達し、魚を生で輸送できるようになり、アニサキスも生きたまま運ばれるようになったことが関係している。
「日本人は、刺し身や寿司など魚介類の生食の文化がある。そのため、アニサキス症の発生件数が非常に多いのです」
こう話すのは、日本感染症学会専門医で、寄生虫症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理などに長年関わってきた「グローバルヘルスケアクリニック」(東京・麹町)の水野泰孝院長だ。
アニサキス症の症状は前述の通り、激しい腹痛や吐き気。記者もアニサキス症になったことがあるが、文字通り七転八倒するほどの痛みだった。
「食品から感染して起こる寄生虫症は全て、食べたか食べていないか、どれくらい食べたかで、感染リスクが変わります。食べなければ絶対に感染しませんし、食べた機会・量が少なければ感染リスクも低い」(水野院長=以下同)