おしっこは無色透明なほうが健康なの? じつは病気のサインかも
その後、腸に運ばれたビリルビンは腸内細菌により黄色のウロビリノーゲン、茶色のステルコビリンに変化します。そして、ウロビリノーゲンの一部は腸管から再び血液中に吸収され、腎臓を経て尿中に排泄されるのです。つまり、尿の色はウロビリノーゲンの色である黄色というわけです。
ではなぜ、糖尿病の人は無色透明の尿が出るのでしょうか? それは、血液中の血糖値が高いため、体内の水分が濃度の低い方から高い方に移行する浸透圧の働きによって、健康な人に比べて血液中の水分が多くなるからです。
血液中の老廃物を除去する働きがある腎臓は無駄な糖分を排出するときに一緒に大量の水分を排出します。すると、大量の水が尿中のウロビリノーゲンの黄色を薄めて、無色透明になってしまうのです。よく、糖尿病の人が多尿で頻繁に水分を欲しがるのはこのためです。
逆に尿の色が濃い黄色になるのは尿中の水分が少ないからで、熱中症などによる脱水である可能性があります。
また、脾臓や肝臓の働きに異常がある場合が考えられます。
むろん、持病のある人は薬によってその傾向が強く出る場合があります。気になる人はかかりつけ医に相談するといいでしょう。
(弘邦医院・林雅之院長)