著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

投与量の調節が大ざっぱな経口糖尿病薬は低血糖を起こしやすい

公開日: 更新日:

 また、糖尿病の治療中に発熱、下痢、嘔吐など体調の悪化によって食事の摂取量が少なくなってしまうと、当然低血糖を起こすリスクが高まります。場合によっては血糖値が上昇することもありますが、簡単に言えば、体調が悪化すると血糖コントロールが難しくなるのです。こういった状態のことを「シックデー」といい、十分な注意が必要です。シックデーへの対応は人それぞれなので、事前に主治医に相談して、どのように対応すべきなのかを聞いておきましょう。そして、万が一シックデーになった場合には、できるだけ早く主治医に連絡を取ることも重要です。

 もうひとつ知っておいていただきたいのは、アルコールを飲むと低血糖のリスクが高まることです。糖分は体内でも作られるのですが、アルコールはそれを邪魔してしまうからです。お酒を飲んだ後で“シメ”のラーメンを食べたくなるのは、無意識的に低血糖を予防しているのです。糖尿病の治療をしている方はアルコールを摂取しないと信じていますが、こういったことも注意しましょう。

 糖尿病は生活習慣の改善や薬物療法によって十分コントロール可能な病気です。逆にコントロールが不十分だと、将来的に動脈硬化や腎不全など合併症の原因になってしまいます。ご自身に処方されているクスリの種類と、それはどのような効き方をしているのか、そして低血糖やシックデー時の対処法を十分理解して、安全かつ効果的に治療していきましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差