C型肝炎は「治る時代」なのに「治らない患者」がいる理由

公開日: 更新日:

 前述の通り、効果が高く、安全な薬が登場している。C型肝炎ウイルスに感染しているなら、速やかに適切な治療を開始すべきだ。

「症状がないから大丈夫」というのは、C型肝炎において大きな間違いであることはこれまで述べた通り。もうひとつ、よくある間違いが「治療でC型肝炎ウイルスを排除したから、肝臓がんにならない」。

「ウイルスを排除できれば肝線維化ステージは4年で1段階良くなります。海外のデータでは、直接的抗ウイルス薬でウイルスを排除することにより肝臓がん発生率は4分の1となりました。国内外のデータでは、5年間の肝関連死が66%低下しました」

 確かに肝臓がんのリスクは減少しているが、見落としてはいけないのは「0」になったわけではない点。ウイルスを排除しても、がんになる可能性はあるのだ。

「しかし、早期発見をすれば予後がいい。そのためには、ウイルス排除後も定期的な通院、検査が必要不可欠です」

 健康な人なら年1回の健康診断や人間ドックでいいが、C型肝炎ウイルス感染経験者は、それでは不十分。目安は、慢性肝炎や代償性肝硬変だった人は半年に1回、非代償性肝硬変だった人は3~5カ月に1回。検査では、肝機能検査を含めた血液検査、超音波、腫瘍マーカーのチェックなどを行う。

 ◇  ◇  ◇

 C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかまだ一度も検査を受けたことがない人はHCV抗体検査を。居住地域の保健所や医療機関で受けられ、地域によっては無料で受けられる場合がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」